バイオ企業、沖縄に集結 ~雇用面へ波及期待~
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http://www.nikkei.co.jp/kyushu/
news/20070912000000584.html
気候温暖、多様な海洋資源
沖縄に個性的なバイオ企業が続々と集まっている。沖縄特有の温暖な気候や多様な海洋資源を利用し、おいしくて栽培しやすいコメや、無農薬で安定生産が可能な水耕栽培などの技術開発が進む。バイオ産業は沖縄の自立経済に向けた柱の一つでもあり、研究拠点の形成や雇用創出といった波及効果も期待されている。
石垣島で最高級米
沖縄本島から南西に約430キロメートル離れた石垣島。ここでコメ品種の「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」を進化させる研究が進んでいる。茨城県つくば市に本社を構えるバイオ企業、植物ゲノムセンター(美濃部侑三社長)の沖縄研究所(石垣市)が、風や病害虫に強く、よりおいしい新品種の開発に取り組む。
品種改良を石垣島で進めるのは、本土に比べイネの成長が早く冬場も栽培できるため。最大で年三回の収穫が可能で、それだけ本土よりも豊富な研究成果を得られるという。同社は約千種の種もみを保有。これらのゲノム(全遺伝情報)解析に基づく自然交配を重ね、背が低く病気への抵抗を備えた品種や大粒で粘りのあるコメの開発を狙う。
安部匡研究員は「コシヒカリを超える新品種を沖縄から送り出したい」と意気込む。
低コスト野菜工場
バイオ技術開発のメビオール(神奈川県平塚市、森有一社長)は、農業の工業化を目指して2004年に沖縄南部の八重瀬町に営業所を開設した。同社の試験栽培用のビニールハウスは水耕栽培方式を採用しており、内部はまるで「野菜工場」のイメージだ。
トマトや小松菜、ゴーヤー、スイカなど、同社が試験栽培している野菜はすべて地面から浮いた棚に育つ。水耕栽培には新しさはないが、根の下に細菌を通さない特殊フィルムを敷くことで養液だけを効率的に吸収する仕組みを開発した。農薬が不要で、水やりの手間もないのが特徴だ。
さらに、植物が養液を吸収しようと浸透圧を高めるため、糖やアミノ酸などの栄養成分が3倍以上に増えるという。沖縄では夏場は葉物野菜が育ちにくいため、値段が高い。同社はすでに県内のスーパーで試験販売を行っており、「1年を通じて新鮮で安い野菜を県内で供給することが可能になる」(森社長)という。
海洋生物は新薬の素材
製薬業界では今、新薬の素材を海から見つける競争が激化している。その素材の採取と分析をするバイオ関連企業が沖縄にある。浦添市に本社を置くオーピーバイオファクトリー(玉置照夫社長)。昨年末から石垣島に拠点を構え、この春から本格的に採取を始めた。
島周辺の海域から採るのは、採取が認められている柔らかいサンゴや海綿、海底砂の微生物や細菌など。エキスを抽出し生理活性物質を分析、データベース化している。最大の狙いは抗がん剤の素材発見だ。すでに国内5社の製薬会社や健康食品会社に素材を販売している。
沖縄の海は生物の多様性に富んでいる。金本昭彦・取締役生物資源グループ長は「未知の素材が必ず眠っている。沖縄で商品化までこぎ着けたい」と期待する。
これらバイオベンチャー企業を支援している沖縄県産業振興公社の原一広プログラムオフィサーは「沖縄でしかできない事業が芽生え、商品化しつつある。地域の活性化や人材育成につなげ、観光に並ぶ産業に育ってほしい」と話している。
日本経済新聞(2007年9月12日より)
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