『プラスミド』全国向け本格生産へ ~沖縄発バイオに期待~
沖縄初バイオに期待
遺伝子技術の基礎研究やがん治療などの新薬開発に必要な「プラスミドDNA」を製造するバイオベンチャー、先端医学生物科学研究所(南城市、喜久川政直社長)が、製薬会社や大学など向けの本格的な生産を開始する。学会への出展を契機に各地の研究機関からの受託生産に乗り出しており、政府系ファンドなどから必要資金も調達した。少量、安価で高品質なプラスミドDNAを提供する技術は国内では同社だけといい、沖縄発の新たなバイオ産業に期待が集まりそうだ。
同社は二十五~二十七日に広島大学で開催された日本生物工学大会で業界初となるプラスミドDNAの受託生産事業を紹介。遺伝子組み換え研究などの迅速化や大幅なコスト削減に寄与することを全国にアピールした。八月には商工中金系の日本商工経済研究所や三菱UFJキャピタルなどがそれぞれ組成するファンドを引受先に、五千五百万円の増資を実施。九月には商工中金から三千万円の融資を受け、生産体制を整えた。
研究用遺伝子「プラスミド」
プラスミドDNAは細胞に遺伝子を運ぶベクター(運び屋)のこと。
遺伝子研究に不可欠だが、培養に多額の経費がかかり、少量の受託生産を引き受ける先もないことが研究課題となっている。
先端医学生物科学研究所は一九九九年設立。プラスミドDNAの培養・粗製技術で、品質やコスト的で優れている独自の浸透膜利用法で特許を取得している。
県産業振興公社などが継続的に支援しており、今回の受託生産は国の新連携計画事業として培養装置設計のエムビーエス(山口県)、全国に販売網を持つ三ツワ理化学工業(大阪市)との三者で全国展開する。
関係者は「業界に与えるインパクトが大きく、沖縄産業の将来にも非常に有意義だ」(商工中金那覇支店)と期待しており、喜久川社長は「潜在市場はかなりある。沖縄初のバイオビジネスを確立させたい」と豊富を語っている。
近く臨床実験向けの治験薬製造の認証も取得する予定だ。
琉球新報(2007年9月29日より)
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