鳥インフル消毒薬(生物資源研究所)
日経産業新聞(2008年11月20日)
沖縄の樹木から成分
沖縄本島北部の名護市周辺は「山原(やんばる)」と呼ばれ、希少な鳥類であるヤンバルクイナなど固有の生態系を色濃く残している。国立感染症研究所の元室長で、インフルエンザウイルスの専門家として知られる根路銘国昭(69)は定年退職後に出身地のやんばるに帰郷。民間研究機関「生物資源研究所」(名護市)所長として、地元の樹木から鳥インフルエンザの消毒薬を作り出そうと取り組んでいる。
根路銘は「ハンノキ」「センダン」など、地元に自生する約2,000種もの植物を採集。これらのおがくずなどの成分に、インフルエンザウイルスを死滅させる効果があることを突き止めた。
試験管レベルの実験では、「H5N3型」や「H1N1型」など複数のインフルエンザウイルスを1gで死滅させる効果があることを実証。人に感染しやすい新型インフルエンザへの変異が懸念される強毒性の「H5N1型」鳥インフルエンザウイルスでも同様の効果が得られる可能性があるという。鳥インフルエンザが発生した養鶏場などに散布する消毒薬としての実用化を目指す。
山歩きを趣味にしていた根路銘が故郷で最初に取り組んだのは、地元の植物からがんの治療薬となる物質を見つけ出すこと。キョウチクトウやショウキズイセンといった植物の成分に、がん細胞を死滅させる作用があることをマウスの実験で突き止めた。
センダンなどの鳥インフルエンザウイルス消毒作用はこうした研究の副産物として生まれたものだ。
日経産業新聞2008年11月20日より
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