核酸医薬の副作用防ぐ(ハプロファーマ)
日経産業新聞(2008年12月25日)
炎症抑え実用化支援
バイオベンチャーのハプロファーマ(徳島市、根本靖久社長)は遺伝子断片を使った薬「核酸医薬」の副作用を防ぐ技術を開発した。薬の元となる遺伝子断片「核酸」をヘアピン状の立体構造にすることで、免疫細胞が反応しにくくなり、炎症などを防げるという。核酸医薬は次世代の治療薬として注目を集めており、課題だった副作用の抑制技術で実用化が加速しそうだ。
新技術は核酸の作製方法を工夫。治療に使う塩基配列を作製したのち、塩基の一種「グアニン(G)」を片方の端に3つ並べて結合する。その後65~70℃に加熱し、氷に漬けて冷やすと、一直線だった断片がヘアピンのように巻かれた状態になる。
この核酸をマウスの免疫細胞に投与したところ、免疫が活性化すると作られるたんぱく質が現れなかったという。
ヘアピン状の形態と3つのグアニンの結合を組み合わせると、免疫反応を引き起こす受容体が核酸を異物として認識しなくなり、炎症が起きにくくなると同社ではみている。グアニンが3つ並んだ状態が最も受容体に結合しにくいが、理論的な解明はできていないという。
受容体は短い遺伝子断片とは結合しないため、これまで短い断片を使って核酸医薬を開発していた。新開発の技術を使うと断片の長さに制約がなくなり、様々な疾病に対応できるよう自由な設計が可能になる。国内外の製薬会社に技術を供与する計画。
▼核酸医薬▼
DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の働きを応用した新しいタイプの薬。がんや自己免疫疾患など病気の原因になる遺伝子、たんぱく質に作用し、その働きを抑制することで治療する。国内では10月に米系製薬大手のファイザーが初めて「加齢黄斑変性症」治療に使う核酸医薬を発売、普及しつつある。
日経産業新聞2008年12月25日より
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