薬の副作用ゼロ挑戦(ハプロファーマ)


日経産業新聞(2009年2月4日)

万人適合 リスク判別

 1万人に1人の確率で起きてしまう薬剤投与に伴う副作用のリスクを調べる-。バイオベンチャーのハプロファーマ(徳島市、根本靖久社長)と東京大学先端科学技術研究センターは遺伝子を構成する塩基の配列パターンに着目し、確率を導き出す技術の実用化にめどを立てた。

塩基配列で分析

 約3,000億個あるとされる塩基。配列の違いは「人によって1,000万ヶ所にも上る」(根本社長)。体質に影響しない塩基もあり、その中から副作用と関係がありそうなものだけを探し出すのは至難の業だ。そこで薬剤投与前と後で細胞がどのような影響を受けたかも調べる。独自手法は理論上、50人から採取した細胞があれば1万人に1人の確率で現れる塩基配列の変異が分かる。
 「mRNA(伝令リボ核酸)前駆体」と呼ぶ遺伝子を対象に配列の違いと働き方の強弱を組み合わせて分析。臨床データと照らし合わせて相関性を確認、特定する。
 DNA(デオキシリボ核酸)から情報を転写してたんぱく質の設計図の役割を果たす通常のmRNAとは異なり、mRNA前駆体はたんぱく質の作製に無関係な情報も持っている。こうした部分も含めて広範囲に解析することにより、副作用に関係しそうな塩基の配列パターンを洗い出すことが可能になった。
 複数の大手製薬会社と共同研究に着手。臨床試験(治験)で多額の費用をかけ、新薬候補物質をヒトに投与する前に、研究開発の継続・中止を判断するツールとして注目を集めている。

日経産業新聞2009年2月4日より

トラックバック

トラックバックURL:

薬の副作用ゼロ挑戦(ハプロファーマ)のTOPへ