石垣島沖の海綿 神経修復に応用(オーピーバイオ)

日本経済新聞(2009年5月13日)

日本経済新聞(2009年5月13日)

化合物を発見【オーピーバイオと名大】

 海洋生物を収集・分析するオーピーバイオファクトリー(那覇市、金本昭彦社長)と名古屋大学は、石垣島の沖合の海綿から神経細胞の突起を伸ばす働きがある化合物を発見した。病気や事故で傷ついた神経を修復する医薬品や新素材開発などへの応用が期待できる。現在、同社はこの化合物の特許を出願中。名古屋大は二〇〇九年度にも動物実験を始め、実用可能性について検証する。
 化合物の名称は「ペトロシオール」。オーピーバイオファクトリーが石垣島の沖合で採取した海綿に含まれていた。
 同社の石垣島の研究所でこの海綿をエキス化し、名古屋大の海洋天然物専門の小鹿一教授の研究チームが分析・調査。実験で、このエキスと培養した神経細胞を混合したところ、六日後に四割以上の神経細胞が突起の伸長を示したという。
 海綿には数百種類の化合物が含まれている。このため、研究チームは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と呼ばれる特殊な機械を使って、どの化合物が神経細胞の突起を伸ばす働きを持つのかを探し、最終的に化合物の特定に成功した。
 研究チームは〇九年度中にも動物実験を始める。老化したマウスにこの化合物を注入し、迷路実験などで記憶改善効果などを検証する。
 金本社長は「将来はアルツハイマーの治療薬など新薬の開発につながる可能性も秘めている」と話す。実験用に一定量の海綿を確保するため、今後、同社は地元の漁業者に海綿の養殖を依頼する予定だ。
 オーピーバイオファクトリーは、八重山諸島周辺の海綿ややわらかいサンゴなど海洋生物を収集。これをエキス化したサンプルを大手の医薬品会社などに提供し、がんや生活習慣病などに効く新薬開発などを支援する。

日本経済新聞2009年5月13日より

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