「個別化医療」に挑む
遺伝子レベルで体質を解析し、食事やサプリメントなど個々人に合った世界でたった一つの健康改善メニューをつくる「個別化医療」に、うるま市のバイオベンチャー企業ハプロファーマ(根本靖久社長)が挑んでいる。 観光ついでに沖縄で遺伝子診断を受けてもらう事業を年内に始める予定だ。
薬の副作用が事前に分かる独自の特許技術を持っており、主要薬品の特許が一斉に切れる2010年問題に頭を悩ます製薬企業からも注目を集めている。
医学博士でもある根本社長は「食べても太らない人もいれば運動してもなかなか痩せない人もいる。人の体質は遺伝子によってそれぞれ違うのだから、健康法も人によって違うのは当然」と語る。
大手製薬会社から基軸転換し、沖縄を拠点に個別化医療の確立に努めている。
同社が取り組む「健康長寿支援サービス」は、日本各地やアジア諸国の人々を沖縄に呼び込み、エステやスパなど観光を楽しんでもらいながら医療機関で遺伝子診断をする構想だ。青い空、青い海の観光資源と健康・長寿の沖縄イメージを生かした新しい産業創出を目指す。診断にかかる時間は1時間半程度で、価格も3千円~5千円と手頃になる予定だ。
遺伝子診断でわかるのは肥満、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病のなりやすさ。食材やサプリメントなど県内の資源を活用した健康法を提供し、病気の回避に役立ててもらう。
同社は100万タイプの遺伝子パターンから2万種の薬の副作用を調べることができるEG法と呼ばれる特許技術も開発した。薬の影響を統計的に調べていた従来の手法とは視点が180度異なり、ピンポイントで特定する世界初の技術だ。
将来的には、現金自動預払機(ATM)で現金を引き出せるようなシステムも開発し、万が一重い病気にかかった時に、副作用のない治療が出来るよう役立ててもらうことも検討している。
副作用に関する遺伝子を少ないサンプルで特定できるEG法は、膨大なサンプルを基に調べていた従来の製薬手法を格段に効率化できるため、製薬企業の注目を集めている。
既に国内の大手製薬企業数社がEG法を導入しており、外資のメガファーマ(巨大製薬企業)も興味を示している。根本社長は「沖縄発の企業として挑戦していきたい」と語った。
平成22年2月23日(月) 琉球新報
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