経済の新たな課題


日本経済新聞 (2010年12月15日)

国際物流・バイオに期待

仲井真弘多沖縄県知事の2期目がスタートした。米軍普天間基地移設など基地問題だけでなく、高失業率や低い県民所得など苦境から抜け出せない沖縄経済の振興も大きな課題だ。
観光やIT(情報技術)産業に次ぐ県経済の柱をどう育成するのか。
2011年度末で期限切れの沖縄振興特別措置法に代わる新法制定をはじめ、政府との交渉力も問われる。

「いろいろと芽は出ているんです。」仲井真知事は10日の記者会見で、沖縄経済の潜在力に自身をのぞかせた。


中部空港抜く

仲井間知事の1期目の大きな功績といえるのが全日本空輸が2009年10月に那覇空港で運営開始した沖縄ハブの誘致。
24時間空港の特性を生かして夜間便や早朝便を運航し、アジアと国内、アジアとアジアを短時間で結ぶ国際物流拠点だ。
県によると、那覇空港の国際貨物取扱量は09年度が5万1839トンと福岡空港を超えた。
10年度前半は毎月1万3000トン前後と沖縄ハブ開始前の80倍以上に増加。
中部国際空港の取扱量も上回り、年度全体で成田空港、関西国際空港に次ぐ国内3位となる見込み。
全日空によると、取り扱い貨物の大半はIT部品やパネルガラスなどの工業製品。貨物の経路はアジアからアジアが25%、残りの75%は国内からアジア、アジアから国内が半々という。

県は「本土やアジア企業の配送拠点を誘致、製造業の工場誘致につなげたい」と沖縄ハブを核にした臨空型産業の集積を目指す。
県幹部は14日、県議会で「立地企業への税制優遇や規制緩和など『国際物流経済特区』を国に求める」と述べた。

観光は国際化

知事は1、2期目とも観光客年間1千万人を公約に掲げたが、この4年間の観光客数は570万~600万人と伸び悩んだ。ただ外国人は好調。
06年度の9万6800人が10年度は30万人を超えそう。沖縄に近い台湾に加え、香港や上海からの増加が目立つ。
県はアジア各都市とのチャーター便の誘致、定期便化に力を入れる。10年度のチャーター便は約400本と09年度の2倍以上になる見通し。
「パック旅行が主力の中国人観光客の単価はまだ低いが、リゾート需要につながれば県内消費額も増える。」(日銀那覇支店)
国内観光客はリーマン・ショック以降、単価を下げて人数を確保している状態。
仲井真知事は「沖縄の健康・長寿のイメージを生かす医療ツーリズム、国際会議など付加価値の高い観光産業を確立する」と意欲を示す。

IT企業急増

観光と並ぶ県経済の柱のIT産業。
沖縄に進出したIT企業は仲井真知事就任直後の07年1月には累計で126社だったが、10年10月には約230社に増えた。
県が整備した沖縄IT津梁パーク(うるま市)の09開業なども後押しした。
06年12月に59万2千人だった県全体の就業者数も、10年10月に61万5千人に増加。
ただ完全失業率は県調査で同月は8.1%と依然として高水準だ。
県が期待するのは豊富な海洋資源を活用したバイオ・健康産業の発展。県の助成を受け、沖縄周辺の海洋生物から抽出したエキスを大手製薬会社に販売するベンチャー企業も育っている。
沖縄科学技術大学院大学で海洋環境などの研究も始まっており、研究成果とのビジネス化や企業との共同研究などに期待が高まる。
民間シンクタンク、海邦総研(那覇市)の伊波貢経営企画部長は仲井真県政について
「1期目で観光、ITを着実に根付かせたことは評価できる。沖縄には健康関連産業などで独自技術を持つ企業が多い。こうした産業のブランド化を進め、県外に発信できれば沖縄経済を押し上げる原動力になる」と指摘する。


平成22年12月15日(水) 日本経済新聞

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振興と国家戦略兼ねる


沖縄タイムス (2010年12月10日)

県提言中間報告 戦後処理など対策

県がまとめた中間報告で、新たな沖縄振興として国に提言する制度は、残された沖縄固有の課題に対応するだけにとどまらず、アジアに近い地理的優位性や、世界最高水準を目指す沖縄科学技術大学院大学などを生かし、日本全体に貢献するという「国家戦略としての側面も持ち合わせている。
国際貢献に関する施策として、日本の防災・医療分野の組織や人材、技術、施設の集積を目指す。
具体的には災害・救急医療、離島医療を支援する拠点病院や、国連緊急暖助隊、アジア太平洋防災大学校の設置などを検討している。
また、亜熱帯性気候を有する地域の感染症など健康被害対策の課題について調査・研究し、解決策を提案する貢献策も提言。
健康危機管理情報センターの整備や国立感染症研究所の機関設置などを盛り込んだ。
一方、残された課題への対応策として、待機児童解消などのため、認可保育所や放課後児童クラブなどへの財政支援を強化する。
また戦後処理施策として、民間が実施する開発に伴う不発弾磁気探査の費用を全額国庫負担とする制度の創設などを提言する。
建設業関連では米軍発注工事への県内建設業者の参入を支援するための規制緩和策などを検討している。
環境・エネルギー分野の制度では、宮古島に「エコアイランド特区」を創設。
世界初の「再生可能エネルギー100%」の島づくりを目指し、各種税の減免や規制を緩和する。


平成22年12月10日(金)

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寄生虫に有効ワクチン


日本経済新聞 (平成22年12月8日)

マラリアなど予防期待 - 琉球大が製造技術

琉球大の新川武准教授の研究チームは、熱帯感染症のうちマラリアなど寄生虫に有効なワクチンの製造技術を開発した。
抗原や免疫細胞を集めやすくする分子などをつなぎワクチンを3層構造とすることで体内の免疫細胞の働きを活発にし、寄生虫への抵抗力を高める。
これまで寄生虫への有効なワクチンはなく、実用化できれば死亡率への高い熱帯感染症の予防が期待できるという。

開発した製造技術で作るワクチンは①抗原②体内の免疫細胞を集めやすくする分子③抗原と分子をつなぐ物質--の3層構造が特徴。
3層の相乗効果によって免疫細胞を活性化させ、体内に侵入した寄生虫を攻撃して感染症を防ぐ仕組み。3層構造のマラリアのワクチンをマウスに注入したところ、免疫反応を確認することができたという。
今後はアメーバ赤痢、脾臓(ひぞう)が肥大するリーシュマニア症など他の寄生虫に対する3層構造のワクチンも作製し、有効性を検証する。
将来は製薬会社と連携して実用化に向けた研究を始める考えだ。

研究チームの新川准教授は「理論上は3層構造の抗原部分だけを替えれば、様々な寄生虫に有効なワクチンを開発できる」と話している。
熱帯感染症は原因が様々でウイルス、細菌、寄生虫によるものがある。ウイルスに対するワクチンは抗原を有鶏卵で培養し、弱毒化したうえで体に接種して免疫力をつける。
寄生虫の場合は、抗原を体内に入れても免疫細胞が活性化せず、これまで有効なワクチンがなかった。


平成22年12月8日(水) 日本経済新聞

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住宅・ビル・家電一括管理

日本経済新聞 (2010年11月11日)

携帯など活用外出先で電源制御

医療機関向けシステム開発などを手掛けるベンチャー企業、アクシオヘリックス(那覇市、シバスタラン・スハルナン社長)は、住宅やオフィスビルの家電や照明を一括管理できるシステムを開発した。
1つのスイッチパネルで最大12ヶ所の電源を制御できるほか、外出先からもパソコンや携帯電話で操作できる。
年内にも県内外の住宅メーカーなど向けに販売を始め、3年後に年2億円の売上高を目指す。
新システム「AIOS(アイオス)」は台湾の半導体メーカーと共同開発した。
玄関などに複数のスイッチを備えたパネルを設置。スイッチごとに、建物内の制御機器を通じて特定の家電や照明を管理する。
電源が入っていればパネルのスイッチが青く点灯するため、部屋ごとに機器を確認する手間を省ける。
照明を消し忘れても、インターネット経由で外出先から消灯できる。専用ホームページから個人のIDとパスワードを入力し、パソコンや携帯電話の画面上でスイッチパネルを操作する仕組み。
製品価格は15万円程度。住宅やマンションのほか、オフィスビルやホテルなどの需要を見込む。特定の人物だけが管理できるように、目の虹彩や指紋認証を備えたAIOSの開発も進めており、今後追加する予定。
同社は2001年に設立。医療機関向けのシステム開発やゲノム(全遺伝情報)解析などを手掛ける。
2010年12月期の売上高は前期比25%増の約2億5,000万円の見通し。AIOSはこれまでのシステム開発の技術を応用した。

平成22年11月11日(木) 日本経済新聞

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観光客増も単価戻らず

日本経済新聞(2010年10月29日)

26.6%の大幅増。中国や台湾、韓国などアジア客はいずれも2ケタの伸びだ。
ただ、これも旅行商品の単価引き下げによる効果が大きい。
中国人客も1泊5000円前後のビジネスホテルを利用するツアーが中心。杉本芳浩・日銀那覇支店長は「観光業界のリーマン・ショック前の8割の水準」と分析する。
単価を戻すのは簡単ではなさそう。大手リゾートホテルの経営者は「当面は単価より誘客を優先せざるを得ない」と話す。
12年は沖縄の本土復帰40年にあたり、来客増が期待される。「それまでは我慢の時期が続く」(ホテル経営者)。
観光やIT(情報技術)と並んで件が育成に力を入れるバイオ産業では、ベンチャー企業の集積が進む。
04年度以降、国や県が助成したバイオ関連企業は30社近くに上り、県の沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター(うるま市)も満杯状態だ。
生物資源探索のオーピーバイオファクトリー(那覇市)は今夏、東京の企業と提携。採取した海洋生物から有効物質を医薬品や食品メーカーなどに提供する計画を進めるなど、事業を拡大させている。
「生物多様性条約も追い風」。県産業振興後者の原一広ハンズオンマネージャーは指摘する。
途上国などの生物資源については現地への利益配分拡大を求める声が強まっており「生物資源に恵まれる沖縄に国内企業の注目が集まる」とみる。

平成22年10月29日(金) 日本経済新聞

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TOKYOAIMと提携

沖縄タイムス (2010年9月17日)


新興企業上場に協力

東京証券取引所とロンドン証券取引会社が設立した新興企業向け取引市場の「TOKYO AIM(トウキョウ・エイム)」と県産業振興公社は16日、県内企業の同市場への上場に向けて協力することで合意した。
エイムは成長が見込まれる企業向けに上場規制を柔軟にした市場。企業の円滑な資金調達を可能にし、事業拡大を支援する。
エイムが地方の企業支援団体と提携するのは初めて。

県庁で会見したトウキョウ・エイムの木村徹太郎社長は「沖縄には有望企業が多数育っている。市場を活用して、企業の発展、沖縄経済の発展につなげてほしい」と述べた。
同公社の知念榮治理事長も「資本市場の利用を促進し、県経済をけん引する企業の育成をさらに強化したい」と話した。
同市場への参加は、機関投資家や3億円以上の金融資産を持ち投資経験のある個人など、プロの投資家らに限定。
通常の市場では数ヶ月掛かる上場承認機関も10日と短く、株主数や売上高などの上場数値基準もなく、四半期決算や内部統制報告書の提出も任意。
特に中小企業にとっては上場までの敷居が低いのが特徴。
公社はITやバイオ、環境の3分野を中心に、成長見込みの高い企業への投資や経営支援など育成に取り組んでいる。
今回の連携で、資本市場活用セミナーや、企業からの相談に応じ、新規株式上場に向けたサポートを進める。
県内の上場企業は5社にとどまるが、ベンチャーなど新興企業向けのグリーンシートへの登録は3社と全国(62社)の中でも比較的登録数が多い。
公社は「ベンチャーの資金需要の高さがうかがえ、トウキョウ・エイムの活用が見込まれる」としている。
トウキョウ・エイムも、沖縄を皮切りに全国的に連携を深め資本市場の活性化を目指す。

平成22年9月17日(金) 沖縄タイムス

※「日本経済新聞」様、「琉球新報」様でも記事になりました。

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沖縄でDNAワクチン

日本経済新聞 (2010年8月3日)

インフル向け開発着手

バイオベンチャーのジェノミディア(大阪府茨木市、中島俊洋社長)は、沖縄県で、ウイルスの遺伝子の一部をもとに、インフルエンザを予防するワクチン開発に乗り出した。
まず豚インフルエンザを対象にウイルスを分析、免疫細胞が認識する遺伝子を特定し大腸菌で培養する。現在の手法に比べてワクチンを迅速に大量生産できる技術の確立を目指す。


迅速に量産体制

沖縄県の治験薬製造ベンチャー、AMBIS(アンビス、南城市、喜久川政直社長)と組んで「DNA(デオキシリボ核酸)ワクチン)と呼ばれる新しいワクチンの開発を、同社の本土研究所(南城市)で始めた。
現在のワクチンはウイルスを鶏の有精卵で培養、病原性がないように処理し体内に接種する。
ただ、この手法だと有精卵の調達に時間を要し大量生産が難しい。昨年に新型インフルエンザが流行した際はワクチンの製造が大幅に遅れたほか、供給量も不足し、海外から輸入する事態となった。
新手法では遺伝子を活用する。まずジェノミディアが豚インフルエンザのウイルスの遺伝子を特定。AMBISの技術を使いこの遺伝子を「プラスミド」と呼ばれる環状DNAに組み込み大腸菌で大量培養。
高純度で精製しワクチンを完成させる。
新手法が成功すれば全国民にワクチンを供給する時間が生産開始から2~3ヶ月と「現在に比べ10分の1程度に短縮できる」(中島社長)とみる。
今後5年間でマウスや豚を使った動物実験を展開。研究開発が軌道に乗った段階で大手製薬会社などと提携し、10年以内の製品化を目指す。
近年、亜熱帯気候の沖縄では、インフルエンザが流行しやすい傾向にあり、ジェノメディアはワクチンの研究開発拠点として沖縄を選んだ。同社は2002年に設立。
結核などの感染症のワクチン開発を手掛けている。

平成22年8月3日(火) 日本経済新聞

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オーピーバイオ 「薬の種」探し、東南アでも

日本経済新聞(2010年7月28日)

ニムラと生物資源探索 沖縄の経験活用

海洋生物の収集・分析のベンチャー、オーピーバイオファクトリー(那覇市、金本昭彦社長)はニムラ・ジェネティック・ソリューションズ(東京・品川)と提携し、マレーシア海域で微生物や植物プランクトンの採取に乗り出す。
亜熱帯気候の東南アジアは多様な生物の宝庫といわれる。両者がそれぞれ海と陸で培った研究ノウハウを結集し、新薬や化粧品の「種」を探る。
生物資源については生息する国に属すると定めた「生物多様性条約」があり、民間企業が単独で海外で採取するのは難しい。ニムラはマレーシア政府から同国で生物を採取する権利を得ており、オーピーバイオはニムラとの提携で事業領域を拡大。
一方、ニムラは海洋生物資源の研究が得意なオーピーバイオのノウハウを活用できる。
オーピーバイオは植物プランクトンなどの培養や評価技術をニムラに給与する。沖縄県うるま市とクアラルンプールのそれぞれの研究施設で化合物を抽出し、がんや感染症dなどに効く有効物質の発見を目指す。
人材交流や情報交換も積極的に実施する計画だ。
オーピーバイオは従来、採取した海洋生物資源のエキスをサンプルとして製薬会社などに提供してきた。昨夏からは研究体制を強化し、特定の病気に対する有効性の検証も開始。
国内の大手製薬会社から海洋生物資源の採取から分析まで一括受注している。
今後は2012年度開校予定の沖縄化学技術大学院大学(恩納村)との共同研究も視野に入れる。
生物資源から医薬品として実用化できる確立はきわめて小さいが、的中すれば「数千億円規模のビジネスに発展する」(オーピーバイオ)。
「世界一の生物資源メジャー」を目指すという沖縄発のベンチャーが動き出した。

平成22年7月28日(水) 日本経済新聞

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生物資源探索で提携

日本経済新聞 (2010年7月28日)

ニムラとオーピーバイオ マレーシア海域で

生物資源探索のオーピーバイオファクトリー(那覇市、金本昭彦社長)とニムラ・ジェネェティック・ソリューションズ(東京・品川・二村聡社長)はマレーシア海域の海洋生物資源の探索・分析で業務提携した。
年内にも微生物や植物プランクトンなどの採取を始める。
海洋生物資源から抽出した有効物質を、医薬品や化粧品などの素材として提供する計画だ。オーピーバイオは石垣島周辺など沖縄の海域で海綿など海洋生物資源を採取。
ニムラはマレーシアやブータンの陸地で微生物や植物を採取し、それぞれ有効物質を製薬会社などに提供してきた。
マレーシア海域で採取する海洋生物資源を両者の研究施設で分析し、がんや生活習慣病向けの新薬やバイオ燃料などエネルギーの原料となる有効物質を探す。
有効物質を発見できれば知的財産は両者で共有し、国内外の製薬会社などに利用権を供与する。
ニムラはマレーシア政府から同国の生物を採取し有効物質を探る権利を取得している。

平成22年7月28日(水) 日本経済新聞

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植物から有用成分抽出

琉球新報 (2010年7月20日)

抗腫瘍、消毒剤を開発

「沖縄には輝くような生物資源がある。それを探して新しい産業を興し、国境を越えて人々の健康に役立てるのが私の夢」。
生物資源研究所(名護市)はウイルス研究の権威で元国立感染研究所呼吸器系ウイルス研究室室長のの根路銘国昭氏(70)が退官後の2001年に所長に就任した会社だ。
沖縄に自生する植物から有用成分を取り出し、抗腫瘍剤やインフルエンザ予防剤などを開発している。
占領下の沖縄で育ち、「学問で米国と対等に戦いたい」と誓って沖縄を離れた青年は40年後、郷里の宝を探しに戻ってきた。
名護市のネオパークオキナワの一角にある生物資源研究所。同社はここで植物の抽出エキスを使った健康食品、医薬品の研究を続けている。
元部長出身の根路銘所長は琉球大学卒業後、微生物や細菌学を学ぶため北海道大に入りなおした。沖縄を出た理由について根路銘署長は「(占領下の沖縄で)米国に踏みつけにされて生きるのはプライドが許さない。学者になって米国と対等に戦いたかった。」と話す。
北海道大大学院を経て国立感染研究所に入所。ウイルス学の専門家として業績を積んだ。
ノルウェーの凍土に埋められた遺体から、1900年代初頭に世界で猛威を振るったスペイン風邪のルーツを解明。
ヒトと動物のインフルエンザウイルスの交雑を遺伝学的に証明した。2003年にロシア国立医学アカデミーの国際ウイルス賞を受賞。
米国のみならず世界でも著名なウイルス研究家となった。

存亡の危機

生物資源研究所は当初、県立北部農林高校後援会の付属研究機関・生物資源利用研究所として設立された。
海洋・陸上の生物資源を活用し、がんや感染症などに効く新薬を開発するのが目的で、全国でもまれな高校後援会単独の運営にようる研究所だった。
根路銘氏はその所長に就任。ヤンバルの山を歩き、有用成分を求めて研究を始めた。
04年にはマウスの実験でセンダンとショウキズイセンから抽出した物質でがん細胞の縮小が確認できたと発表。
新たな一歩を踏み出した。しかし後援会は資金的に厳しくなり、同年、研究所の廃止を決める。公的機関から得たベンチャー企業向け補助金も底をつき、同社は存続の危機に立たされた。
根路銘所長は「研究が形になりかけた矢先に金がなくなり途方に暮れた」と当時を振り返る。
その際に支援したのが沖縄銀行だった。事業費を無担保融資し、同行OBを顧問として派遣して経営面を強化した。安里昌利頭取は「根路銘先生は国内より海外で評価が高い。特許も数多く取得し、ベンチャービジネスとして将来性があるとみた。
経営は専門知識のある人に任せて、研究に専念できる環境にしてあげたかった。」と話す。
息を吹き返した同社は先に発売したセンダンエキスの清涼飲料水を改良した「センダンα」を発売。

累積赤字を解消

09年、世界的に猛威を振るった新型インフルエンザでウイルスに対する関心も高まった。根路銘所長のメディアでの発言も増え、他社との提携による空間洗浄消毒剤やハンドソープなどの除菌商品も開発された。
今も県外企業などと商品化の話が進む。大塚薬品工業(東京)は空気清浄機に生物資源研究所が製造するセンダン由来の消毒薬を組み込み秋にも発売する。
同社は「消毒剤として二酸化塩素を使っていたが、生物資源研究所がつくる植物由来成分の方が消費者の志向に合うと考えた」と話す。
センダンαなどの伸びで10年3月期は約1億8千万円を売り上げ、同社はようやく創業以来の累積赤字を解消した。山田昌巳顧問は「ようやく正常企業への第一歩を踏み出すことができた」と語る。
赤字経営から脱却した今、次の目標は抗がん剤を完成させること、インフルエンザや口蹄疫などウイルス性の病に効果のある薬をつくることだ。大学との共同研究もスタートさせた。
「本土で成功したもののモノマネ産業ではだめ。沖縄は新しい知識で産業を興さないといけない。今は長屋みたいな場所だけど、ここから個性的でユニークな戦略産業を育て、人材も育てていく」。
沖縄の森から命の産業を生み出せるか。これからの研究が注目される。

平成22年7月20日(火) 琉球新報

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沖縄伝統野菜クワンソウ

化学工業日報(2010年6月7日)

睡眠改善に効果

沖縄のバイオベンチャー、ソノムクエスト(本社・那覇市)は、伝統野菜「クワンソウ」(アキレスワスレグサ)から抽出したエキスを利用し、”快適な睡眠を通した現代人の生活改善”に取り組んでいる。
鎮静作用や睡眠改善作用が動物実験によって確かめられており、ヒトを対象にしたモニター調査や安全性試験も実施。
実際の健康食品への採用実績も拡大中だ。江口直美代表取締役は、「夜型・高度ストレス社会で、不眠に悩む日本人が増えている。睡眠を改善して適切な生活パターンに調整することでストレスに耐える身体が作られ、仕事の能率もアップする。」と話す。
クワンソウは、琉球王国時代の文献にも登場する野菜で、不眠に効果があると民間伝承で今に伝えられてきたもの。
同社は、2006年から内閣府と沖縄県の助成により、沖縄県産業振興公社のもとで研究開発を推進。
動物行動試験と脳波試験を行い、鎮静作用、睡眠改善作用、疲労回復効果、抗うつ様作用を実証した。
また、沖縄と東京でゼリーに加工した食品のモニター試験を実施している。
「プラセボも考慮に入れて約6割の人に睡眠改善効果がみられた。平均睡眠時間が長くなり、目覚めのすっきり感、活力感、疲労回復感が工場したという声が多かった。市販の睡眠導入剤と異なり、昼間に食べても眠気はなく、体内のリズムを狂わせないこともわかった。」
と江口代表。
さらに、急性毒性、遺伝子突然変異誘発性、染色体異常誘発性、中長期安全性試験を実施し、ヒトに対する安全性を確認したことで実際の商品への採用も進んできている。
まずは沖縄で、スティックゼリー「わかんび」(エルバ)とドリンク剤「キャバミンDX」(沖縄ハム総合食品)が発売されたのに続き、今年になってスティックゼリー「ネラリック」(ロート製薬)、顆粒サプリメント「クワンミネコ」(トムズ)が相次いで製品化された。
同社のクワンソウエキスは「ヒプノカリス」の商品名で提供され、液体と粉末の2種類を用意。
えぐみや不純物が除去されており、味に癖がないのでさまざまな食品に加工できるという。
江口代表は、「ヒプノカリスのメカニズムも解明されつつある。まず血流がよくなって手足などの表面温度があがり、熱が拡散されることで深部体温が下がる。自然な入眠時と同じ作用で、それを促進することがわかってきた。
モニターでは、疲労回復や美肌といった効果に対する期待が大きかった。今後は、そうしたターゲットを明確にしつつ、食品メーカーと協力して商品企画を進めていきたい」としている。

平成22年6月7日(水) 化学工業日報

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注目のバイオベンチャー一覧

週刊ダイヤモンド 2010年4月24日号

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ロート製薬「クワンソウ」サプリ発売

琉球新報(2010年3月31日)

ソノムクエスト抽出エキス提供

製薬大手のロート製薬(大阪)は沖縄伝統野菜のクヮンソウ(和名アキノワスレグサ)を使ったゼリー状の健康サプリメント「ネラリック」を30日までに開発した。
同商品はバイオベンチャーのソノムクエスト(那覇市、江口直美社長)がクヮンソウから抽出したエキスを使用している。
ソノムクエストの吉原浩一シニアアドバイザーは「大手企業に使ってもらうことで産地の活性化にもつながる」と話している。
ソノムクエストが2008年の食品開発に出展したクヮンソウにロート製薬担当者が興味を示し、翌09年から商品開発を進めてきた。ロート製薬はソノムクエストの抽出エキスを採用したことについて
「眠りに着目した商品を開発しようとしていたので、良いタイミングだった」と説明している。
クヮンソウは「ニーブイグサ」とも呼ばれ、昔から県内で親しまれている野菜。睡眠の質を改善するとされており、ソノムクエストなどが科学的根拠を調べている。
ソノムクエストは今帰仁村の農家と契約し、約1万65000平方メートルの畑でクヮンソウを栽培。
葉や茎から抽出したエキスを使い、自社ブランドでもサプリメントを製造、販売している。
ロート製薬は会員向けの通販マガジン「ヘルス・ブレーン」やネット通販で商品を販売している。
試験的な販売だが、反響が良ければ定番化もあるという。
価格は10グラム30本入りで4500円、7本入り1280円(いずれも税込み)。

平成22年3月31日(水) 琉球新報

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バイオ中心に新産業創出

日経産業新聞(平成22年3月31日)

観光」「基地」「公共工事」の”3K経済”に依存する沖縄県。
この経済構造からの脱却を目指し、2009年度から始まった国と県の新産業創出投資事業はバイオを中心とした産業育成に力を入れる。
その中心的な役割を担う沖縄県産業振興公社の原一広ハンズオンマネージャーに現在の取り組みや今後の課題などを聞いた。

-新産業創出投資事業の具体的な中身は。
「バイオやIT(情報技術)、環境分野へのベンチャー企業への研究開発支援と、ファンドによる投資の2つが柱だ。沖縄を拠点に将来性が高い研究開発に取り組む企業に補助金の子宮や取引先開拓などを通じて支援する」
「ファンドは最大2億円を投資し、企業経営に積極的に関与し、株式公開やM&A(合併・買収)を目指す。恩納村で12年度に開学予定の沖縄科学技術大学院大学など学術機関とも連携しクラスター(産業集積)を形成していく」

-心がけている点は。
「毎日企業を訪問し、経営者に直接問題点を聞く。経営計画の作成や資金繰り、他企業との連携などすべての相談に応じる。100社以上ある担当企業には困った時は24時間いつでも連絡してほしいと伝えている。
支援に必要なのは信頼関係で常にコミュニケーションを取るのが大事だ。」

-沖縄は物流のハンディなどを理由に産業育成が難しいといわれてきた。
「豊富な天然資源、アジアに近い地理的特性など沖縄の利点を生かせる分野はたくさんある。特にバイオは有望だ。例えば那覇市のオーピーバイオファクトリーは海綿などを収集してエキス化し、新薬開発の材料として本土の大手製薬会社に提供している。
マラリアなどの感染症の研究開発や遺伝子分析で県外からの営業誘致にも成功した」

-今後の課題は
「人材確保だ。いくら有望な産業があっても企業を育てていく人材がいないと意味がない。沖縄の学生は公務員志向が強く、官民挙げて情報発信し、有望なベンチャー企業の認知度を高める必要がある。
失業率が高い沖縄で雇用の受け皿になるためにもベンチャー企業の育成は欠かせない。」

平成22年3月31日(水) 日経産業新聞

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生体吸収性の「ステント」

生体吸収性の「ステント」

 直径わずか2ミリ。金属製の筒はよく見ると網目状に細かな切れ目が入り、伸び縮みが可能になっている。しかも金属ながら体内に吸収されてしまうという特徴を持つ。医療と工学の技術を駆使したこの微細な金属は、狭くなった血管を広げるための手術に利用する医療機器「ステント」。 カテーテルで血管に挿入し、風船で膨らませた後、元に戻らないよう固定するために使う。開発した吸収大学大学院医学研究院の江頭健輔博士は、ベンチャー企業先端医療開発(福岡市、豊田秦之社長)を立ち上げ、普及に向けた研究を県内で始めた。

 江頭氏が開発したステントの素材はマグネシウムとカルシウムの合金。人体が必要とする元素のみで構成しているため、安全性も担保されているという。

 現在使われているステントはステンレス製が主流だ。丈夫でさびにくく重宝されているが、体内に異物として残されるというデメリットがある。江頭氏はその問題を生体吸収性のマグネシウム合金を使うことで解決した。マグネシウム合金は車のエンジンや航空機の部品として利用されており、軽さと丈夫さは折り紙付き。同社は燃えにくいマグネシウムを用いることで、レーザー加工による量産を可能にした。配合するカルシウムの量を変えることで、人体へ吸収される時間も調整可能という。

 ステントを使った血管の手術は心臓だけでも日本で年間20万~30万件。世界では100万~200万件に上り、需要は多い。江頭氏は「本社は福岡県だが、うるま市で研究を進めて将来的には県内で製造したい。製品が小さいので物流コストも問題にならない」と話す。同社は100万分の1ミリ単位で分子を加工するナノテクノロジー(超微細技術)の技術も持っており、ナノ粒子で薬の成分を包んで患部へ届けるナノ粒子製剤の開発にも取り組んでいる。

 通常の細胞は細胞の隙間が150ナノメートル以下なのに対し、病気の細胞は隙間が200ナノメートルに広がる。その間で分子の大きさを調整すれば、病気の部位だけに薬の効果を届ける事ができ、健康な細胞に負担をかけずに済む。

 江頭氏は「沖縄の豊富な天然資源を活用した創薬にも取り組む。医学、薬学、工学の垣根を越え、世界基準の製品を作りたい」と語る。異分野融合型の新しい医療の確立に向け、沖縄から技術を発信するつもりだ。


平成22年3月4日(木) 琉球新報

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ソムノクエスト株式会社(平成21年度「おきなわ新産業創出研究開発支援事業」採択企業)の開発素材が大手製薬会社の手により製品化!

同社が研究開発を進めている沖縄クワンソウ(アキノワスレグサ)抽出の睡眠改善エキスのヒプノカリスがロート製薬株式会社(大阪)に採用された。

ロート製薬は、以前より睡眠改善を求める市場を狙っており、ソムノクエストが持つヒプノカリスのエビデンスと沖縄伝統野菜という背景に興味を持ち、GABAを配合したマンゴー味のスティックタイプ・ゼリーを開発し、商品化した。

同製薬会社は、H22年3月4日に商品名「ネラリック」として、同社会員誌、ホームページで販売を開始した。


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オオバギニキビ菌に効果

オオバギニキビ菌に効果


 古くから薬として重用されてきたプロポリス。抗酸化作用があるとして現在も健康食品として販売されているが、ミツバチが周辺の樹木から採取した樹液で作るため、産地によって品質はバラバラだ。
 その中で沖縄産プロポリスは抗酸化作用が突出して高いことが研究者の間で知られていた。

 「沖縄のミツバチはどの木からプロポリスをつくっているのか」。民間企業と研究者が協同研究でミツバチに目印をつけて追跡したところ、ある身近な植物から樹液を採取していることが判明した。 県内各地に自生する常緑広葉樹「オオバギ」。チビカタマヤーガサ、チビククヤーなどの方言名があり、昔はおにぎりや弁当を包むのに使われていた植物だ。

 研究したのはポッカコーポレーション(名古屋市)と沖縄ポッカ食品(東村、末吉勝博社長)、静岡県立大学の中村純教授。県産業振興公社の沖縄イノベーション創出事業を活用して研究を進め、抗酸化作用がオオバギに含まれるポリフェノールの一種「ニムフェオール」に由来していることを突き止めた。

 研究によると、ニムフェオールは食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌のほか歯周病菌、虫歯菌に高い抗酸化作用がある。特にニキビ菌には高い効果を示し、約1分ほどでほぼ全滅させることが分かったオオバギは奄美以南の亜熱帯、熱帯地域にしか生えておらず、希少性も高い。ポッカ社と沖縄ポッカ食品は新規の天然資源として売り出したい考えだ。両社はオオバギからニムフェオールを抽出し、マスクや洗顔剤、歯磨き粉の原料として提供する計画。沖縄ポッカ食品が県内で栽培、抽出し、ポッカコーポレーションが高純度で精製し、素材の販売をする。将来的には飲料としても提供するつもりだ。

 既に東村の遊休農地で試験栽培をしており、4月には製品を出荷できる体制を整える。

 オオバギの葉は根本から簡単に折れるため、手作業でも収穫が容易。さらに生命力が強く、年に3回は収穫できる。これまで商業用として栽培されたことがないため、現在は病害虫対策やニムフェオールの含有量を高める栽培法も研究中。
 さんぴん茶の絞りかすを肥料に使い、循環型の栽培にも努めている。
 末吉社長は「東村を含め県北部は遊休農地がたくさんある。供給先が増えれば1次産業と連携して地域の活性化にもつながる」と話した。

平成22年3月3日(水) 琉球新報

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遺伝子工学でワクチン

琉球新報(2010年2月25日)

マラリア、結核、エイズ…。世界の国々は今も多様な感染症に苦しめられている。
特に発展途上国の人々は水や栄養、医療サービスを確保するのが難しく、国際的な課題となっている。
ジェノラックBL(那覇市、瀬脇智満社長)は、ワクチン製造の先端技術で沖縄から感染症問題の解決に挑んでいる。
同社は遺伝子工学を駆使し、遺伝子組み換えで免疫体をつくるように設計したタンパク質を生み出す技術を持つ。
タンパク質の性質を自在に操ることで、各種感染症に応用が効くワクチンプラットホーム(土台)を構築しようと、県内を拠点に研究を進めようとしている。
完成すれば技術提供で商用化したい考えだ。
同社と共同研究している琉球大学熱帯生物研究センターの新川武准教授(分子感染防御学)は「ワクチン製造は遺伝子工学の時代に入った」と語る。
これまでのワクチン製造は病原菌を弱めたり死滅させたりする手法が主流だった。
しかし、マラリアなど寄生虫がもたらす感染症のワクチンは、その手法での製造が不可能。
ワクチン製造の手段がない感染症で世界中で猛威をふるっているのが現状だ。
2000年九州・沖縄サミットでは、感染症対策も主要議題の一つとして議論され、日本政府が包括的に途上国を支援する「沖縄感染症対策イニシアチブ」が発表された。
「沖縄から感染症撲滅を」と意気込む同社や新川武准教授の言葉は、沖縄の研究者としての責任感からでたものである。
同社は乳酸菌を活用した経口投与型の粘膜ワクチン製造にも取り組んでいる。
通常のワクチンは血液に注射するため、効果は血液中に限られる。
腸など血液が届かない粘膜系で効果が発揮すれば、これまで予防や治療が難しかった病気に応用できる。
人類が長い間食べ続けている乳酸菌は安全性も確認されており、「次世代のワクチン」として注目されている。
09年からは、東京大学医学部と共同で子宮頸がん予備軍とされる子宮頸部上皮内腫瘍の治療に乳酸菌ワクチンを活用する研究にも取り組んでいる。
腸管の粘膜を介して子宮頸部で免疫をつくる新しい治療型ワクチンとして臨床研究にこぎ着けており、製品化への道筋ができつつある。
瀬脇社長は「沖縄と似た気候の国で感染症が問題となっている。サミットで感染症の問題が取り上げられたことからも、沖縄から感染症問題に取り組む意義は高い」と語る。

平成22年2月25日(木) 琉球新報

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「海に潜む宝」探索

「海に潜む宝」探索の新聞記事


 東洋のガラパゴスと言われ、さまざまな動植物が生息する亜熱帯の島・沖縄。世界有数のサンゴ礁にはぐくまれた豊かな海には、まだ名前も付けられていない生物が多く潜んでいる。それらの生物が作り出す未知の有用な化合物を収集し、薬品や化粧品、健康食品の開発に生かそうとする企業がある。

 オーピーバイオファクトリー(那覇市、金本照彦社長)は石垣島を拠点に海綿やソフトコーラルなどを回収してエキス化。得られた化合物を蓄積している。集めた化合物を製薬会社などに提供し、特許権収入を得るビジネスに取り組む。化合物を集める作業はスクリーニング(探索)と呼ばれ、創薬の工程で最上流に位置する。目的の化合物を加工・分析し、動物実験を行い、人間を対象とした臨床実験を経る長い道のりの第一歩だ。

 金本社長はスクリーニングの作業を「泥臭い仕事」と表現する。ボンベを背負って海に潜り、生物を収集するスクリーニングの作業は探索に近い。さまざまなポイントで潜り、時には見たこともない生物に出会うこともある。生物をアルコールに漬けて化合物を抽出し、一つ一つ分析する作業は地道な職人芸だ。今後は深海探査船でさらに深い海で探索することも検討している。


 昨年は石垣島沖合の海綿から神経細胞の突起を伸ばす化合物を発見。アルツハイマー病の治療に可能性があるとして名古屋大学と研究を進めている。

 アオカビからペニシリンを発見して約80年。陸上生物を起源とする化合物の研究は進み、新しい発見が少なくなった。科学技術で化合物を強引に合成する手法も、これまで目立った実績を挙げられずにいる。時代は海洋生物に新しいリソース(資源)を求めている。

 同社の取り組みに興味を示し、スクリーニングを依頼する企業も出てきた。昨夏から、目的の化合物を探索して分析結果を提供する受託スクリーニングで化粧品メーカー数社と契約を結んでいる。資料として同社が蓄積した貴重な化合物を使うことや、新たな生物資源の探索に高度な専門知識が必要なため、受託料は数千万円から億単位と破格だ。研究が進めば契約金額が上乗せされるマイルストン契約を結ぶため、大きな発見につながれば利益も大きい。

 新薬の開発は全世界で年間十数件と極めて少ないが、金本社長は「早めに取り組みを始めればブロックバスター(年間1千億円以上を売り上げる薬品)も夢ではない」と語る。


平成22年2月24日(水) 琉球新報

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「個別化医療」に挑む

「個別化医療」に挑むの新聞記事


 遺伝子レベルで体質を解析し、食事やサプリメントなど個々人に合った世界でたった一つの健康改善メニューをつくる「個別化医療」に、うるま市のバイオベンチャー企業ハプロファーマ(根本靖久社長)が挑んでいる。 観光ついでに沖縄で遺伝子診断を受けてもらう事業を年内に始める予定だ。

 薬の副作用が事前に分かる独自の特許技術を持っており、主要薬品の特許が一斉に切れる2010年問題に頭を悩ます製薬企業からも注目を集めている。

 医学博士でもある根本社長は「食べても太らない人もいれば運動してもなかなか痩せない人もいる。人の体質は遺伝子によってそれぞれ違うのだから、健康法も人によって違うのは当然」と語る。
 大手製薬会社から基軸転換し、沖縄を拠点に個別化医療の確立に努めている。

 同社が取り組む「健康長寿支援サービス」は、日本各地やアジア諸国の人々を沖縄に呼び込み、エステやスパなど観光を楽しんでもらいながら医療機関で遺伝子診断をする構想だ。青い空、青い海の観光資源と健康・長寿の沖縄イメージを生かした新しい産業創出を目指す。診断にかかる時間は1時間半程度で、価格も3千円~5千円と手頃になる予定だ。

 遺伝子診断でわかるのは肥満、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病のなりやすさ。食材やサプリメントなど県内の資源を活用した健康法を提供し、病気の回避に役立ててもらう。
 同社は100万タイプの遺伝子パターンから2万種の薬の副作用を調べることができるEG法と呼ばれる特許技術も開発した。薬の影響を統計的に調べていた従来の手法とは視点が180度異なり、ピンポイントで特定する世界初の技術だ。

 将来的には、現金自動預払機(ATM)で現金を引き出せるようなシステムも開発し、万が一重い病気にかかった時に、副作用のない治療が出来るよう役立ててもらうことも検討している。
 副作用に関する遺伝子を少ないサンプルで特定できるEG法は、膨大なサンプルを基に調べていた従来の製薬手法を格段に効率化できるため、製薬企業の注目を集めている。

 既に国内の大手製薬企業数社がEG法を導入しており、外資のメガファーマ(巨大製薬企業)も興味を示している。根本社長は「沖縄発の企業として挑戦していきたい」と語った。

平成22年2月23日(月) 琉球新報

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産学官の連携進むバイオ産業

平成22年2月号 財界九州

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第6回 バイオクラスター交流会2009 in 沖縄

バイオクラスター交流会では全国で先進的な取組みを行っているバイオクラスター間での交流、連携を深めることにより、各地域が持つ研究成果やビジネスシーズの産業化、共同研究の促進を図り、ライフサイエンス関連産業のさらなる振興と集積、バイオベンチャーの創生支援を目的とする交流会を開催いたします。

チラシはこちら

【申込方法】
下記、情報を記載の上、onicpt@okinawa-ric.or.jp までメールにてお申し込みください。
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参加者名
メールアドレス
会社名・所属
2/4の参加可否:○(一部参加も含む) or ×(全く参加しない)
2/5の参加可否:○ or ×
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 ※複数参加者がいる場合も、参加者毎に上記情報を明記ください
 ※2/4,5のいずれかの参加においても5,000円が必要となります


●開催時期:2/4(木)~2/5(金)
●開催場所:沖縄産業支援センター他
●参加費:5,000円

2/4(木)at 沖縄産業支援センター

第1部;沖縄のバイオ関連事例紹介
・開会挨拶;山内徹(内閣府沖縄総合事務局経済産業部長)
・講演「沖縄のアジアビジネスへの戦略展開」
 金城和光(株式会社沖縄ヒューマンキャピタル代表取締役)
・講演「沖縄科学技術大学院大学の紹介」
 ロバート・バックマン(独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構理事・事務局長)
・活動紹介「おきなわ新産業創出事業の紹介」
 沖縄県産業振興公社産業振興部新産業創出支援チーム

第2部:バイオクラスター交流会
・開会挨拶:具嶋弘(福岡バイオバレープロジェクト)
・基調講演「急成長するアジアのバイオクラスターとどう向き合うか」
 近藤正幸(横浜国立大学教授ベンチャー・ビジネスラボラトリー所長)
・講演「グローバルバイオビジネスへの期待と問題点」
 森正治(同仁医薬化工株式会社専務取締役)
・講演「沖縄健康バイオ産業振興発展に向けた産学官連携拠点の取り組み」
 宮里大八(国立大学法人琉球大学産学官連携推進機構客員准教授、
  文部科学省産学官連携コーディネーター(地域の知の拠点再生担当)、
  株式会社沖縄TLO 取締役)
・活動紹介「各地域バイオクラスターの活躍状況報告」
・ 討論会「新政権へのバイオ政策に期待するもの」
 ファシリテーター:宮田満(日経BP社バイオセンター長)
・閉会挨拶:坂田恒昭(大阪大学サイバーメディアセンター客員教授)
・懇親会

2/5(金)at 沖縄県内施設
バイオクラスター関連施設見学
・科学技術大学院大学キャンパス整備の視察(恩納村)
・健康バイオテクノロジー研究開発センター(うるま市)

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平成22年度「おきなわ新産業創出投資事業(研究開発支援部門)」に係る研究開発プロジェクトの募集及び公募説明会の開催について

来期採択分の研究開発プロジェクトの公募、ならびに公募説明会の案内を発表しました。

<公募概要>
・バイオベンチャーに対し、最大・年間5,000万円×2年の研究開発資金を助成いたします
・応募締切は、3/5(金)

<公募説明会概要>
・東京 2/9(火)13:30-16:00
・大阪 2/10(水)13:30-16:00
※沖縄では、2/5(金)終日個別相談会を行っております

詳細は下記をご覧ください。
http://okinawa-ric.jp/news/7031.html

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