事業化に向けての課題及び今後の取り組み
次年度から特定健診が開始されるにあたって、特定保健指導の受入れ先が不足し、数多くの「メタボ難民」が発生することが社会問題として懸念される。そのような状況の中、当社は以下の事業を展開していきたい。
①機能性食品の効果判定法への応用
疾患モデルの培養細胞系を用いた食品の機能性成分に対して、特異的に応答性するSNPデータ取得・パネル化を進め、食品成分感受性SNPと、生活習慣病関連SNP、それらに重複する遺伝子群の解析を行う。特に生活習慣病関連遺伝子のバイオマーカー候補抽出においては、治療薬応答性遺伝子の網羅的なリスト化も有用である。機能評価においては、細胞応答性評価系も構築したので、今後、機能性食品の効果や毒性の個人差などを明らかにする方法として、幅広く利用できる。
②予防医療のためのバイオマーカーを用いたリスク診断法の開発
バイオバンク沖縄では、検診受診者のなかから参加者を募集し、収集したDNAから健康維持に有用な遺伝情報の一部を再連結して返すことで、遺伝体質に基づいた健康管理に役立ててもらう仕組みを構築した。将来は、検診受診者のデータを長期追跡調査する遺伝疫学的な観察手法から、特定の疾患への発症に関連するSNPを明らかとし、易罹患性の予測や、糖尿病予備軍の転帰、合併症の種別・発症時期予測の研究を行う。また生活習慣病発症高リスク者への予防介入後の日々の体重・体脂肪率などのデータ推移と、食事運動量の申告データを携帯電話で効率的に収集する手法を開発した。今後、それをデータベース化し、介入の度合いと運動食事介入の効果を個人ベースで解析する。当社では、すでに県内のスポーツクラブチェーンとの提携による有効な指導サービスの開発計画をしている。その中で開発した携帯電話を用いたデータ収集ツールは、介入プログラムを日々きちんと実行しているか、その定量的な度合いも含めて自己申告して、それらをデータベース化する上でも重要な役割を果たすことが期待される。
③バイオマーカーを用いた科学的根拠に基づく生活療法の開発
運動食事指導に基づく介入の度合いは個人によって異なり、医薬品や食品の介入における投与群/非投与群の正確な割付は実際困難である。したがって、個々人に日々、運動食事量を記録して申告してもらい、実際の介入度合いを申告に基づき層別解析することが必要である。そのため、糖尿病予備軍に対する生活療法の評価を行うための基盤を構築した。今後は、介入プログラムの実行具合を定量的に自己申告してもらうので信頼性が高くより良い情報を蓄積することが期待できる。今後、糖尿病予備軍を対象としたデータの収集を進め、その成果を予防医療や医薬診断薬の研究開発、健康支援サービスの開発に応用する。
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- at 2008年07月23日