成果概要
(1) サイクロデキストランの高効率・低コスト製造技術開発MF、UF、NF膜装置の導入や
酵母を用いるなどして、実用レベルの低コスト製造技術を開発した。
(2) 高分子CI(CI-10)高生産菌株の育種改良および高度精製分取技術の開発実用レベ
ルには達していないが、デキストラナーゼの活性が弱く、CI-10を優先的に生産する
特性を持つ株を取得した。分取については、CI-10とその他のCIとの完全な分離は難
しいが、純度75~90%のCI-10の分取が可能となった。同時に、CI-7~9 richの分離
も可能となった。
(3) サイクロデキストランの安全性の確認
① マウスによる最大無作用量確認(12週反復投与毒性試験)
CIの慢性毒性を示す結果は認められず、このことからCIが生体へ障害を及ぼす最小摂取量は
2000mg/kgBW/day 以上と推定され、CIの食品としての安全性に問題は無いと報告された。
② ヒトによる安全性確認(4週連続摂取試験)
摂取量1日2gと4gの2群、各10名・合計20名による4週間連続のCI摂取試験を実施したが、自己
都合による1名の脱落者を除く19名の試験完了者の全ての検査項目において、臨床上問題とな
る所見は見られず、CIの安全性が確認された。
(4) サイクロデキストランの機能・効果の実証
① 各種CIサンプルのう蝕菌を用いたう蝕抑制効果確認 - in vitro
各種CI plusのGTF阻害評価(不溶性グルカン付着試験)、発酵性評価(pH試験)、人工口腔装置
による評価試験等を実施した結果、CI plusは、S.mutans およびS.sobrinusに発酵されず、これ
らミュータンスレンサ球菌のGTFによる試験管壁へのバイオフィルム形成(不溶性グルカン付着)
を濃度依存的に阻害することが確認された。また、人工口腔装置を用いた検討では、CI plus
は、ミュータンスレンサ球菌のバイオフィルム形成を阻害し、バイオフィルム直下のpHの低下を遅
延させ、エナメル質脱灰を阻害することが確認された。他のう蝕予防素材のGTF阻害活性評価
によるCI との比較試験では、CI-7~9とCI plus の各種サイクロデキストランと糖アルコール類に
ついて、ショ糖存在下でのS. sobrinus 粗GTFを用いて不溶性グルカン生成量を比較した結果、
糖アルコール類と比較して、CI の不溶性グルカン合成阻害効果は格段に高いことが確認され
た。
② ヒトにおける歯垢付着抑制効果確認- in vivo
全体としては、CI含有飲料は、プラーク指数に影響を及ぼすことはなかったが、歯垢の付着しや
すい群と歯垢の付着しにくい群による層別解析では、歯垢の付着しやすい群では、プラーク指数
を対照飲料群に比べ有意に低下させた。唇頬側と舌側にわけて解析した場合では、有意な差は
認められなかったものの抑制傾向を示し、CIは歯垢付着を低減させる上で有効であることが示唆
されたと報告された。
③ ラットにおけるう蝕抑制効果確認- in vivo
虫歯菌に感染させたラットに、各割合(1,2.5,5,10%)のCIを46%という高濃度ショ糖含有飼料
に添加し、8週間連続投与した群とCI無添加対照群との比較では、全てのCI添加群のプラーク指
数およびう蝕スコアは、無添加対照群のそれに比べて有意に低い値を示し、う蝕の発生は有意に
抑制されたと報告された。
(5) サイクロデキストランの包接機能に関する解明
各種のゲスト物質による包接試験で、サイクロデキストランの包接機能に関する知見を得た。
(6) サイクロデキストランを用いた製品開発設計および評価
砂糖、CI、その他甘味料および食品添加物による甘味料の試作及びう触抑制効果の評価試験等
による開発を行い、CI配合の黒糖甘味料を製品化した。
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- at 2009年06月16日