初年度の平成16年に取り組んだ既存カルシェル技術によるバイオヘルスケアフードへ機能性成分を応用する予備試験で挙がってきた商品化上の課題を解決するために実施したカルシェル改良の研究、及びバイオヘルスケアーフードの改良研究を主軸に平成17年度からは、本格的に改良カルシェルによる麺類、焼き菓子、造粒米、パン等の試作及び評価を実施した。
結果、造粒米を除き、主要なバイオヘルスケアフードにおいて、想定した商品品質のレベルを確保できるに至っている。
より具体的成果は下記に記す。
(1)機能性成分である精製魚油(有効成分:DHA)、トルラ酵母(有効成分:グルタチオン)、ウコン(有効成分:クルクミン)、ヘム鉄(有効成分:鉄)、シソ油(有効成分:α-リノレン酸)、ノニ酵母エキス、セントジョーンズワート(有効成分:ヒペリシン)のカルシェル化試験において全ての機能性成分の食品パウダー化に成功した。
(2)精製魚油(有効成分:DHA)を基本保護成分として実施したカルシェル改良試験において、油状成分のパウダー化の意味では以前は油分25%までが限度であったが、本研究により最大70%含有させる事に成功した。
また、カルシウムと加工澱粉の組み合わせや炭酸カルシウムへの油分の吸着方法の工夫により、味、臭いのマスキング性能も飛躍的に向上している。
(3)精製魚油(有効成分:DHA)、トルラ酵母(有効成分:グルタチオン)、ウコン(有効成分:クルクミン)については、沖縄そばへの応用企画を想定し、具体的な規格上の機能性成分有効量を添加する形で試験試作、及び量産試作を行い、何れも商品化可能なレベルでの製造条件を確立した。
(4)特に精製魚油(有効成分:DHA)に関しては、想定される各種のバイオヘルスケアフ-ドへの応用試験、評価を行い、沖縄そば及び焼き菓子に関しては、DHAで一食100g当たり400mg添加でも美味しく無理なく摂取でき且つ、分析上100%近くDHAの残存している事を確認している。
また、パンに関しても、パン100gあたりDHA360mg添加可能で、残存率は100%(食品分析センター)まで達成した。
また同時に、上記そば及びうどん、焼き菓子、パンに関しては、各食品加工における適性もクリアーしている。保存性に関しては㈱トレンドで量産試作したクッキー(保存条件:ビニール袋で常温保管、6ヶ月)で、過酸化物価及び酸価の値から、油の酸化及び劣化はみられず、DHAは理論値の7割の残存を確認、北陸製菓試作クラッカー(アルミ袋+白い外箱で常温保管、8ヶ月)の場合、DHAの残存率100%(食品分析センター)で過酸化物価及び酸価の値からも、油の酸化及び劣化は確認されなかった。
(5)分析・動物試験においては、精製魚油(有効成分:DHA)、トルラ酵母(有効成分:グルタチオン)、ウコン(有効成分:クルクミン)の有効成分の定量分析を確立。
特に精製魚油(有効成分:DHA)については、更にDHAカルシェルパウダー、及びそのDHAカルシェル含有のバイオヘルスケアフード、それぞれでDHAの定量分析法を確立した。
また、動物試験においては、各種の製法によるDHAカルシェルパウダーをマウスに経口投与する試験において、血中へのDHAの移行が確認されたとともに、製法の差異によって、吸収パターンにそれぞれ特色のある事が判明した。
この事実は、今後カルシェルが単なる機能性成分の器としての機能に留まらず、生体内でのデリバリーの可能性を示唆するものであると理解している。
(6)事業化面での成果は、沖縄の地の利を生かし、産官学事業として実施された「総合メンタルヘルス実証実験プロジェクト(健康療養ツアー)」に当社も参加し、実際にDHAカルシェル含有のプチパンを提供している。
このプロジェクトにおいてDHAパンをメニューに取り入れてもらい、実際に使用していただく事で直接的に顧客の声を拾う事ができ、具体的な顧客のニーズを収集するに及んでいる。
またプチパンの製造については、沖縄企業のオキコパンに冷凍パン生地をパンの焼成はブルーシールの協力のもと実施している。
また、改良したDHAカルシェルパウダーについては、現在欧州の医薬品メーカーであるロンザ、米国の医薬品メーカーであるバイエルにおいてプロトタイプのサンプルを提示、評価中となっている。