株式会社サウスプロダクト

研究開発の背景・研究目的及び目標

オキナワモズク(Cladosiphon okamuranus Tokida)は褐藻網(Phaeophyceae)ナガマツモ目(Chordariales)ナガマツモ科(Chordariaceae)オキナワモズク属(Cladosiphon)に属し、沖縄県の与那国島を除く八重山諸島を南限(北緯24度)に鹿児島県奄美大島を北限(北緯29度)とする南西諸島固有種の食用海藻である。オキナワモズクは内湾からサンゴ礁に囲まれた広い礁池に良好に生育し、水深は大潮干潮時の0~13m、特に0~8mに多く生息する。生育環境は比較的静穏で外海水の疎通がよく、透明度が高いきれいな海である。

その生活環は巨視的胞子体世代(藻体)と微視的配偶体世代を基本としており、3~6月ごろ胞子体に単糸嚢が形成され、これから放出された遊走子が盤状型の配偶体となる。
雌雄それぞれの配偶体から配偶子が放出され、単為発生したものは再び配偶体に成育するが、接合したものは盤状体を形成し、直立幼体、胞子体に成長する。一方、接合によって発生した盤状体は無性生殖器官として中性遊走子を放出し、盤状体を形成するサブサイクルを繰り返す。
オキナワモズクは1970年代に沖縄県水産試験場によって養殖技術が確立された。その後、安定して発芽させる中間育成管理技術と盤状体を形成するサブサイクルを活用した種苗生産法が開発され急速に普及した。

大型藻類にも関わらず微生物のように増殖を繰り返す盤状体形成のサブサイクルを機能性成分の生産に活用することを目的に研究開発を行った。オキナワモズク盤状体の連続培養システムおよびこれからの機能性成分の抽出、分離精製技術を開発し、これによる機能性成分の生産・販売事業を事業化することを目標とした。

研究体制

(1)研究組織

(2)管理体制

研究統括管理者を中心に事業経理担当者、研究分担毎に研究員を配置し、研究管理体制を敷いた。本研究プロジェクトチームの構成研究員からなる研究会議を設置し、各研究テーマでの進捗報告、新規サブテーマの提案や承認、アドバイザーからの技術的指導など、事業を円滑に行う体制を構築した。


(3)研究者氏名及び人員

平成18年度
伊波 匡彦   研究の統括、有用成分に関する研究
上山 貞夫   盤状体培養システムの開発
永井 勉    優良品種の選抜
友利 誠    有用成分に関する研究、
中村 望    有用成分に関する研究、
平良 寛    盤状体培養システムの開発
蓑津 玲香   有用成分に関する研究

平成19年度
伊波 匡彦   研究の統括、有用成分に関する研究
小口 慶子   有用成分に関する研究
岩本 理恵   有用成分に関する研究、盤状体培養システムの開発
平良 寛進   盤状体培養システムの開発
飯沼 喜朗   有用成分に関する研究

平成20年度
伊波 匡彦   研究の統括、有用成分に関する研究
飯沼 喜朗   有用成分に関する研究
高江洲 勇貴  有用成分に関する研究
松田 考司   有用成分に関する研究
岡  直宏   盤状体培養システムの開発
平良 寛進   盤状体培養システムの開発
諸喜田 尚希  盤状体培養システムの開発
山城 農    盤状体培養システムの開発
 
(4)外部からの指導・協力者名及び指導・協力事項

所  属:株式会社沖縄環境分析センター
氏  名:当真 武
職  名:技術顧問

(前沖縄県水産試験場八重山支場長、前沖縄県海洋深層水研究所所長)
指導又は協力を受ける事項:モズク盤状体培養技術、フィールド試験

所  属:高知大学海洋コア総合研究センター
氏  名:津田 正史
職  名:教授

指導又は協力を受ける事項:培養技術、成分の分離精製・構造解析

成果概要

オキナワモズク盤状体の特徴としては、成熟藻体の成分と比較し、脂質とタンパク質がおよそ5倍多く、炭水化物が少なく、また機能性成分であるフコキサンチンは約150倍、フコステロールは約40倍高濃度であった。これらの結果から、オキナワモズクの盤状体を培養することによってフコキサンチンおよびフコステロールの生産が可能と考えられた。一方、盤状体のフコース含量は成熟藻体の1/20であった。このことから盤状体はフコイダン含量が低いことが示唆された。

本研究開発において、以下の成果が得られた。

(1)モズク盤状体培養システムの開発

フリー盤状体を用いて、フコキサンチンの生産性を指標とした培養条件の検討を行った。その結果、培地組成、温度、照度、光波長など最適な培養条件を確立した。また、遊走子・胞子を分離し、盤状体形成まで成長させるシードの生産技術を確立した。

(2)培養システムによる機能性成分の生産(スケールアップ)

オープンポンド方式による培養のスケールアップを行い、フコキサンチンの生産性を指標とした大量培養技術を確立した。これまでに1tスケールの培養を行い、また、藻体の回収、有用成分の抽出などフコキサンチン生産システムの確立に必要な技術開発を行った。

(3)高純度フコキサンチンの開発

定量分析における標準物質として使用できる高純度フコキサンチンを開発した。また、本製品を用いてフコキサンチンの定量分析法を確立し、品質管理によって含有量を保証した食品・化粧品素材の開発が可能になった。

当該プロジェクト連絡窓口

所  属: 株式会社サウスプロダクト
氏  名: 伊波 匡彦
職  名: 代表取締役社長
住  所: 〒904-2234 沖縄県うるま市州崎12-75
電  話: 098-982-1272
F A X: 098-921-3038
E-mail : miha.south@nifty.com